往きて迷いし物語

もるあきがトールキン教授やPJ監督に翻弄されるブログ・『この世界の片隅に』備忘録

JOJO展大阪行ってきました

 大阪港駅を出て海遊館へ至る道を歩いていると外国人観光客がJOJO展の袋を持っていたので、俺も早く観たいぜ! という気持ちが高まっていくのを感じました。でっかいDioのポスターが見えてきて写真を撮っている人もいて、めちゃくちゃ寒くて曇っていたけど晴れやかな気分に。音声ガイドを首から提げていざ行かん。

 

 ジョジョは好きだけど最近はそこまで熱を入れて追いかけてもいないし観に行ってもいいものかと迷ってて行くのが遅くなったわけなのですが、他の展示では堪えていたのにジョジョリオンの鳩ちゃんのキックシーンの原画を見たら興奮してウォッみたいな声が出てしまったので観に行って良かったです。あのエピソードは鳩ちゃんが実に素晴らしい。

 

 今回ハートを撃ち抜かれたのはカーズ様のカラー絵。顔アップで横に小さいジョセフが跳んでるカットで、ジョセフは複雑な模様のカラフルな服を着ているのに対しカーズ様は顔の周りを黒い布で覆いカットの大きな宝石を数点飾っているだけなのですが、カーズ様は宝石よりも美しい…。ほとんどモノクロで薄い琥珀色の陰影がスッと塗られているただそれだけでカーズ様の残酷なまでの美が際立っていました…おお…。

 

 いわゆるオラオラシーンでパンチの軌道のペンタッチが良かったですね。ガイドによるとオラオラとか無駄無駄のシーンの集中線やトーン以外は自分で楽しんで描いておられるそうです。

 トーンと言えばジョセフ対カーズ戦で噴火した時の溶岩の粘っこい感じが良かった…先生の描かれたカーズ様とジョセフはもちろん素晴らしいのですが、アシスタントさんもこういう凄い技術で漫画の質を上げているのですよね。原稿には青鉛筆の指示が入っていました。

 

 身上調査書は全キャラ分読みたい世界だった…。

 

 原画展のために描かれた「裏切り者は常にいる」も良かったです! 定助の顔めっちゃでかくて嬉しい! 由花子さんのスカートの裾がきれいだったなァ〜。

 

 カーズ様(ジョセフとシーザー)のTシャツを買って帰りました。

 

 本当は仙台でやった時に行けたら良かったんですけど、自分が行けるかどうかは昨日までわからなかったけど大阪に来るって聞いた時とても嬉しかったです。

 

JOJO

http://jojoex-2018.com

 

「特別展 西行」和歌山県立博物館

 今月(2018年11月)25日まで和歌山県立博物館(https://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/saigyou/frameset.htm)で「特別展 西行」展が開催中です。私は大河ドラマ平清盛』で井浦新さん演じる崇徳院が好きだったのですが、放映当時のイベントや展覧会ましてや白峯寺へ行く機会もついぞなかったのです。今になって比較的気軽に行ける和歌山県立博物館で西行の特集がというのも何かの縁と思い、関連展示はあるかなという下心を抱いて訪れたのでした。

 

 記憶力がザルなので今検索して確認しましたが、西行はドラマの中では佐藤義清の俗名で若き清盛の同僚である北面の武士としての出番が主だったはず。かなり最初の方ですね。出家してからは時々ふらりと出てきて乱れた世を嘆いていた…? どうだったかな…? ほぼ「願わくは花の下にて」の記憶しかない状態で観覧に挑みました。

 

 まず西行法師の経歴(印刷したものが配布されていて親切)と活躍した土地の説明があり、展示室に入ったすぐの場所に西行坐像、大きめの像が展示してあり、なるほど西行さんはこういう人だったのか…と思いきや、説明を見、音声ガイド(200円という安さ)を聞くには、江戸時代に「今西行」と呼ばれた歌人にして西行研究者の似雲(ジウン)という僧侶が厳しい面影の高僧の像を当時流布していた西行のイメージに合うのでこれを西行像とした、みたいな話で、びっくりしました。江戸時代に西行をイメージして彫られた像でもなく、他の人物である可能性が高い、とある僧侶の像を西行ということにしたと。もう一回書いてみたけどよくわからないですねこれ。ただわかるのは江戸時代に西行さんにアツいファンがついていた、そういうことです。

 続いてはちゃんと西行さんとして作られた像と西行さんとして描かれた姿絵です。絵の上の方には西行さんの歌も書いてあるのが洒落てます。とんちの効いた絵もあって面白かったです。

 

 西行さんの歌が最初に歌集に載った時は有名じゃなかったので詠み人知らずとされたとか、「世を捨つる…」が「身を捨つる…」に変えられたとか散々でしたが、やがて新古今和歌集には94首も載るようになったよっていう展示がありました。でもこの最初に載った詞花和歌集崇徳院が命じて編纂されたものだとか…初めて西行さんの才能を見出したのは崇徳上皇なの…? 藤原顕輔かも…? どうせ名前載せてもわからないから匿名でいいでしょとか載せる人が勝手に改変とか平安時代からあったんだな…こわ…。そんな感じで歌のことなどはわからないものの、けっこう楽しんで見ました。

 しかし本人が詠んだ歌も多いしけっこうな数の歌集を編み歌合もプロデュースしている…? 才能に溢れすぎてて逆に凄さがよくわからないんですが。

 西行さんが書いた手紙もありました。戦で人が死ぬことがおびただしいのを嘆いていたり、出家した理由とも繋がってるんでしょうかしらね。

 

 そして西行の家族の話や、有職故実に詳しかったので引用元にされた話など。蹴鞠にも詳しかった。

 そんな何の不自由もない暮らしなのに突然出家したのでふしぎ! みたいなことを藤原頼長台記にも書かれていたんですね。理由は友人の死とか高貴な人に失恋したとか諸説あります。

 妻も娘さんも出家して心安らかに暮らせたのかなあ、世の中が乱れてたからどうだろう。おのれ清盛め…。

 

 そして崇徳上皇像ですよ。像といっても木彫りのそれではなく絵です。思わず拝む。京都からわざわざ和歌山まで来ていただいてありがたいなあ…。展示資料一覧を見るに、前期展示にはなかったんですね。何も調べないでぐずぐずしていただけなんですが後期に行ってよかったです本当に。

 

 紀伊国の池田荘の佐藤氏の記録の展示など。訴え書きとか昔の地図とか目録とか。平重盛が建立したお寺にあった観音像の展示もあって心が満たされました。ドラマでは窪田正孝さんの演技が凄まじかったですね。

 

 文化財を紹介する流れで海神社(http://wakayama-jinjacho.or.jp/jdb/sys/user/GetWjtTbl.php?JinjyaNo=3022)の脇差・銘国次が見られたのがよかったです。柾目肌がしっかり見えて帽子は反り返りっていうのかな、ぼわーっと沸えていました。用語の使い方合ってるかわからないけど…。銘も読める範囲で「□池田荘海上ツ(?)□國次□」的な感じでした。京のかたな展で刀剣の見方を少しおぼえました。展示を見終わってから気がついたのですが、和歌山県立博物館では単眼鏡の貸出もしているそうです。いきなり買うには高価なものなので次の機会には試してみたいです。

 

 高野山の図絵に西行桜があるよーとか、今このさくらそのものはないけど代々植えてるんだよーとか。

 

 西行霊夢で見た阿弥陀如来と脇侍を模刻した像があり、ここでも西行さんの新しい才能を知ることになりました。えっと本人が彫ったのですか…? これらを…? 西行 霊夢で検索してもゲームのキャラが出てくるんですが…。彫師に指示して作らせたのかな、それでも大した才能ですが。詳しく知りたいけど西行さんの歌人以外の部分にフォーカスした本はどれを読めばいいのかしら。

 

 この霊夢のくだりが江戸時代のアツい西行ファンこと似雲さんがリスペクトゆえに西行さんの旅路を追跡行脚してついに弘川寺(http://www.town.kanan.osaka.jp/kananchotte/kankogaido/terajinja/1394613320825.html)の墳墓が西行さんのお墓であると夢のお告げで知ることになるエピソードと繋がります。たぶん。私が西行さんを主人公にした漫画を描くように言われたらこの似雲さんを案内役にしますね。ツッコミ役の従者がいるといいかも。

 

 ところでカタカナをやたらに使わずに文章を書けるようになりたいです…。

 

 西行さんの業績や旅の様子を描いた絵巻などの資料がどんどこ出てくるのですが、その中に西行崇徳院廟を訪ねたものがあり、涙がこぼれます。雨月物語の白峯(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%A8%E6%9C%88%E7%89%A9%E8%AA%9E#%E7%99%BD%E5%B3%AF)として有名な、恨みから異形の怪しに変化した崇徳院が法師として各地を行脚した西行との対話を通し、またかつてその才を愛でた西行の歌によって穏やかな心を取り戻す…という話です。諸説あるという西行の出家の理由はこの時こうして崇徳院の御霊を慰めるために観世音菩薩に導かれたとかでいいんじゃないかなもう。駄目? 御白河院があそこまでああじゃなかったら崇徳院もここまでならなかったんじゃないのかなと思うけど歴史を進めるために御白河・清盛・頼朝は外せないんだろうな…。(何目線か)

 白峯寺からも「歌仙切 崇徳上皇像」が貸し出されています。よくぞ和歌山においでくだされた…。また拝む。

 

「願わくは」関連展示もありました。弘川寺全面協賛で、好きな人にはグッとくるんだろうなあ…と思いながらみていました。

 

 その次は史実と伝承という展示で、絵巻になったり能になったり八面六臂の活躍ぶりです。ここでも白峯の絵だったり、成長した娘さんの穏やかな尼姿だったりが見られて和みました。ドラマであの幼い娘さんを振り払う場面辛かったですからね…。幼い子が出家の妨げになるというのはたぶん仏陀ラーフラになぞらえたフィクションかなと思うんですが…。

 

 江戸時代に武家屋敷に置くのが流行った笑顔の西行さん人形とか、意味はよくわからないけど可愛らしいものもありました。何かご利益があったのかな。そしてこれが他のお坊さんではなく西行さんってことが資料とかに残されているんだよな…。花見の神様みたいな雑な扱いでも面白いけど違うだろうな。

 

 西行さんが生きた時代の人から見た西行の文書資料が展示されて終わり。疲れからかこのあたりの記憶はありません。2時間くらいしかいなかったんですけどね…。体力つけたいです。

 

 かなり偏った見方をしてきましたが、とても面白かったです。

 私は疲れて見られなかったのですが、ロビーで絵巻の解説ビデオが見られたり、17日にも申し込み不要で無料の解説講座、23日24日にミュージアムトークがあるようなので、興味のある方はぜひ行ってみてください。(https://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/saigyou/ivent.htm

 図録も郵送購入できます。(https://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/syuppan.htm

 

 和歌山県立博物館に入館すると和歌山城天守閣とわかやま歴史館の共通入場券の割引券がもらえます。(発行から3日間有効)

 また博物館に隣接した近代美術館も広々としてゆったりと鑑賞できるのでおすすめです。

オペラ『ゴンドリンの陥落』を彩る音楽

 この記事は『Tolkien Writing Day』に参加しています。

はじめに

 2018年の秋はJ.R.R.トールキン教授著、クリストファー・トールキン教授編纂、アラン・リー画伯挿画の"The Fall of Gondlin"が出版され、またオペラ版"The Fall of Gondlin"のサウンドトラックも発売され、ゴンドリン三昧の季節となりました。自分用にサウンドトラックの情報をまとめたものを公開することにしました。記事タイトルにはわかりやすくオペラ『ゴンドリンの陥落』と書きましたが、記事内ではオペラ版"The Fall of Gondlin"と表記します。

 当初はCDが届いたことにウキウキで曲の感想を書こうと思った…、のですが、音楽の知識がない、以前読んだHOMEの内容もうろ覚えで英語歌詞の聴きとりもできないし、どういうシーンの曲なのかぜんぜんわからなかったのです。そこで理解を深めるために曲タイトルの確認を試み『シルマリルの物語』、『終わらざりし物語』を読み直し、サイトにすじや歌詞が載っていることに気がついたのも締切が迫ってからで読む本もどんどん増えていって…、でもそうやって読んでいるとたくさんの発見があってますますこのオペラを作り上げたPaul Corfield Godfrey氏へのリスペクトが深まりました。
 ただ次回あるならばもう少し計画的に書き進めたいと思います。
 

オペラ版"The Fall of Gondlin"

ウェールズの舞台制作チームVorante Operaの作品サイト
https://www.volanteopera.wales/the-fall-of-gondolin
 この記事でこれ以降特に説明のない「サイト」とはこのページのことを意味します。
 オペラの歌詞と物語のすじが載っています。
 こちらにも書いてあるのですが、このオペラのシリーズの上演と音源化はまだ続くようで…
 『ベレンルーシエン』の予告がCDのブックレットにも載っていました。

・THE TOLKIEN SOCIETYによるリリース記事
The Fall of Gondolin opera released
Posted by Shaun Gunner at 17:36 on 24 August 2018
https://www.tolkiensociety.org/2018/08/the-fall-of-gondolin-opera-released/


・入手方法は二通り
CDの通販ページ(情報提供:laurentさん @tolkinisch)
http://primafacie.ascrecords.com/fall_gondolin.html
 送料込みで2300円程度、PayPalのアカウントが必要です。
 梱包は必要最低限のクッション封筒にて送られてきましたので、ケースの破損がありましたが、中身もブックレットも無事でした。2枚組CDでこのお値段なので相応かと思います。申し込み後、PayPalの入金確認メールは来ますが、通販サイトprimafacieからの申し込み完了メール等は(見落としていなければ)届きません。発売前に予約し、届いたのは9月11日でした。
 ブックレットの内容にまだあまりきちんと目を通していないのですが、↑のサイトの方が情報が数倍充実しております…。

 カバーイラストはテッド・ネイスミス氏の既存のイラストを使っています。
Tuor Reaches the Hidden City of Gondolin
https://www.tednasmith.com/tolkien/tuor-reaches-the-hidden-city-of-gondolin/
Turgon Receives Tuor and Voronwë
https://www.tednasmith.com/tolkien/turgon-receives-tuor-and-voronwe/

ダウンロード版(情報提供:Sayawenさん @sayawen)
https://www.amazon.co.jp/Fall-Gondolin-Silmarillion-Mythology-Recording/dp/B07GZNLX8H/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&qid=1536569548&sr=8-22&keywords=Tolkien&linkCode=sl1&tag=camelabo-22&linkId=b08468e034f1696cb2a7b9ed25b01ae3&language=ja_JP
 手数料なしの1800円と手軽です。どなたがどの曲を歌っているのかもわかるので便利ですね。



・キャスト
Ulmo, Lord of the Waters (Bass): Martin Lloyd
Turgon, the King of Gondolin (Bass): George Newton-Fitzgerald
Aredhel, his sister (Mezzo-Soprano): Louise Ratcliffe
Eöl, a dark Elf (Baritone): Julian Boyce
Maeglin, son of Eol and Aredhel (Bass-Baritone): Stephen Wells
Ecthelion, Captain of the Guard of Gondolin (Baritone): Philip Lloyd-Evans
Tuor son of Huor, a mortal man (Tenor): Simon Crosby Buttle
Voronwë, a mariner of Gondolin (Baritone): Julian Boyce
Idril Celebrindal, Daughter of Turgon (Soprano): Anitra Blaxhall
Morgoth, the enemy (Bass): Laurence Cole

Chorus of unseen voices and people of Gondolin:
Anitra Blaxhall/Emma Mary Llewellyn/Louise Ratcliffe/Helen Greenaway/
Michael Clifton-Thompson/Simon Crosby Buttle/Julian Boyce/Laurence Cole


・グロールフィンデル問題
 またしてもグロールフィンデルがキャスティングされていないので、ファンとしては非常に残念であります。解決策としてAmazonのドラマシリーズで幼少時代のエステルを教え導くグロールフィンデルの回想シーンなどがあるといいと思うのですが、どうでしょう。


・曲
 曲名からだいたいのシーンがわかるかと考えていたらよくわからなくて、日本語書籍からタイトルの訳を探してみたり、サイトのあらすじを読んでみたりして楽しみました。

Disc One
1. Prologue: Sing us a tale of Eärendil the wandering/Vorante Demo Chorus

 彷徨うエアレンディルの歌を私たちに聴かせて。(該当なし)

 このタイトルから冒頭のシーンはトル・エレッセアが舞台かしらと思いました。サイトには"The bidding of the minstrel"とあります。吟遊詩人、語り手としてのリトルハートの名前はこの話には出てきません。物語の語り手は『シルマリルの物語』、『終わらざりし物語』には登場せず、HOMEにだけ登場するのでしたっけ…といった悩みを解決してくれるのがクリストファー教授版"The fall of the Gondolin"なのです。余談ですがこの本はあくまで物語を読むものなので、名前のリストは載っているのですが索引がないところが少々面倒です。

 男女の混声合唱から始まる、厳かな雰囲気です。我らに歌を聴かせて…と複数のおそらくエルフが口々に歌います。謎めいた雰囲気に誘われる心地です。すごく韻を踏んでいるところが英語の詩の形式だなあ…と思いますし、歌詞を見るときもぱっとそこを見てしまいます。
 アーティスト名はVorante Demo Chorusとなっておりこの後も混声合唱を担当し、彼らが物語の情景を歌っているようです。


2. Now shalt thou go to Gondolin, Turgon;/Martin Lylod(ウルモ)

 いよいよ汝がゴンドリンに赴く時が来た。(訳は『シルマリルの物語』より)

 曲のタイトルは歌詞やト書きの最初のフレーズをそのままつけていますね。トゥアゴンへのウルモのメッセージです。前の曲が盛り上がりを見せた後でもあり、意外にも穏やかと感じました。この時点ではもはや隠れ王国に移住せよという警告ではなく民を送り出し最後に旅立つトゥアゴンへのはなむけに近い感じでしょうか。


3. Scene One: And Turgon rose,/Vorante Demo Chorus

 そしてトゥアゴンは立ち上がった。(該当なし)

 最初にタイトルを見た時は、ノルドの王が順繰りに亡くなってトゥアゴンが上級王になったことを示しているのかと思いました。しかしサイトの説明ではゴンドリンの塔の自室にいるトゥアゴンということなので、物理的に昇ったということでしょうか。オペラなので塔に昇るシーンで衣装や部屋の調度なども見せて高い地位に着いていることを示すということもありますよね。ううむ。
 きらびやかな要素もありつつあくまで厳かな雰囲気がトゥアゴンらしいと思いました。


4. But Aredhel wearied of the Guarded City,/Volante Demo Chorus / George Newton-Fitzgerald(トゥアゴン) / Louise Ratcliffe(アレゼル)

 しかしアレゼルは防護固い(ゴンドリンの)都に倦み、。(訳は『シルマリルの物語』より)

 初めて『シルマリルの物語』を読んだ時は何気なく見過ごしていましたが、不死(不死ではない)のエルフが倦んでいたんですよね。一見無思慮で過激な行動に出るのも無理からぬ鬱屈の蓄積があったんですよね。親族の情ではなくアレゼルを受け止められる器の大きなエルフはゴンドリンにはいなかったんですね。
 というわけで、曲もアレゼルとトゥアゴンの不和を反映してなかなか不穏です。アレゼルのソロがなかなか挑発的。一方トゥアゴンは悲しんでいるようです。『シルマリルの物語』で読んだ印象よりはトゥアゴンがかわいく感じました。かわいそうかわいい…。


5. So Aredhel rode abroad,/Volante Demo Chorus

 うんざりしていたので、アレゼルは国の外へ馬を駆って行った。(該当なし)

 緊張感のある音楽です。これからどうなってしまうのか…。お供がついていたり従兄弟に会いに行くくだりはカットされていますので、余計に先行きが不安です。


6. Scene Two: But the trees of Nan Elmoth.../Volante Demo Chorus

 しかしナン・エルモスの森は…。(該当なし)

 高い樹ばかりで日も射さず、不気味です。こんな恐ろしい所に迷い込んでしまって、アレゼルは悔やんでいるでしょうね。そんなアレゼルに一目惚れして魔法を使って彼女を迷わせたエルフがいるとか何とかを合唱で説明していますがこれまた不穏です。前のあにいもうとの一触即発のシーンの感じではなく、不気味で恐ろしげ。
 このような音楽と共に登場するエルフはどうなんだろうな、ついて行っていいのかな、と思わせられます。
 

7. You are of the House of Eöl, Maeglin/Julian Boyce(エオル) / Stephen Wells(マイグリン)

 お前はエオルの家の者だ、マイグリン。(訳は『シルマリルの物語』より、順序を入れ替えてあります)

  エオルの怒りを表す激しい音楽です。マイグリンはそれには応えずアレゼルにここを逃れてゴンドリンへ行こうと訴えますので、完全に逆効果でした。

 ト書きはここでゴンドリンの塔にいるトゥアゴンが彼の玉座についているとのこと。

8. Scene Three: And, driven by anger and despair,/Volante Demo Chorus

 そして、怒りと絶望の騎乗。(該当なし)

 これまたエオルの怒りを表す追走の緊迫感のある音楽です。
 

9. I rejoice indeed that my sister has returned../George Newton-Fitzgerald(トゥアゴン) / Louise Ratcliffe(アレゼル) / Philip Lloyd-Evans(エクセリオン

 わたしはわが妹が戻ってきて喜ばしく思う。(該当なし)

 エクセリオンがエオルの要求を伝えに来ました。グロールフィンデルの欠席を嘆くより、エクセリオンの出番をもっと喜ぼう! と自分に対して思いました。エクセリオンの説明の途中からかぶってくるアレゼルがとても彼女らしいと思いました。
 

10. Welcome, kinsman; for so I hold you./George Newton-Fitzgerald(トゥアゴン) / Julian Boyce(エオル)

 ようこそおいでなされた、わが縁者よ。(訳は『シルマリルの物語』より)

 最初はあくまで公正に接しようとするトゥアゴンに対し敵意全開のエオル。トゥアゴンの朗々とした歌声に比べエオルは演出上歌声が高くなったりいきなり緩急がついたり彼の精神の不安定さを感じます。演奏もわざと不快な音を立ててエオルのおぞましさを表します。息子を殺そうとして失敗した挙句呪う父親すごく嫌だな。エオルは崖から打ち捨てられます。


11. Scene Four: Huor the brother of Hurin.../Volante Demo Chorus

 フオル、フーリンの弟…。(該当なし)

 ここで場面が一気に変わり、トゥオルの生い立ちを説明しています。
 間奏のハープか何か弦楽器のポロン、ポロンという音がすごく好きです。

12. And at that hour the sun went down.../Volante Demo Chorus

 そしてその時、日は沈んで行った…。(該当なし)

 ウルモがついに人の子の前に姿を現します。神秘的な音楽ですね。今まで使ってなかった楽器もどんどん出てきているような…。どれが何なのかまったくわからなくて演奏している方に申し訳ないのですが、音と声の高まりがとても気持ちいいです。

 
13. Rise, son of Huor!/Martin Lloyd(ウルモ) / Simon Crosby Buttle(トゥオル)

 立つがよい、フオルの息子(トゥオル)よ。(訳は『終わらざりし物語(上)』より)

 うまく言えないのですが、突然現れたヴァラに臆せず質問、会話できるトゥオルの胆力すごくないですか…というのを音楽と歌の力を通して改めて認識しました。ぴかぴかの鎧が出てくるんですけどここで試着したりしないのかななど妄想しています。
 

14. Instrumental: Storm Music/Demo Orchestra

 嵐の音楽。
 ここも本で読んだときはせっかくこれから旅立つのに嵐で出鼻くじかれたな…と思っていたのですが、実際この曲を聴いてみると実に気分が高揚しますね。ちゃんと『終わらざりし物語』の該当ページを読み返したら、トゥオルはこの嵐の中に希望を見出していました。読むのに疲れていたり体調が悪かったりで、本文にあからさまに書いてあることを見落としまってること、きっと他にもあるんだろうなあ…。
 

15. Hail, Voronwë! I await you./Simon Crosby Buttle(トゥオル) / Julian Boyce(ヴォロンウェ)

 ようこそ、ヴォロンウェ!お待ちしていました。(訳は『終わらざりし物語(上)』より)

 高まりきったところで登場するヴォロンウェにトゥオルも私も興奮を隠せません。 ヴォロンウェはこんなにテンション高く出迎えられていたのか…。それは驚いて「誰…?」 ともなります。ヴォロンウェの声質が以前見たアートのイメージにそっくりでつい探してしまいました。
Tuor and Voronwe - Anke Eissmann
http://www.theonering.com/galleries/fan-art/fan-art/tuor-and-voronwe-anke-eissmann

 しばしの対話の後、共にゴンドリンを目指すトゥオルとヴォロンウェの音楽が続きます。旅を通して育まれる友情はいいものですね。ヴォロンウェとトゥオルそれぞれに回想のかたちで長めのソロパートがあるのが良いです。

16. Often have I vowed.../Simon Crosby Buttle(トゥオル) / Julian Boyce(ヴォロンウェ)

 よく心に誓ったものだった…。(訳は『終わらざりし物語(上)』より)

 
Disc Two

1. Scene Five: In a dim and perilous region.../ Simon Crosby Buttle(トゥオル)

  薄暗く危険な地帯では(該当なし)


2. Fell is this frost.../Simon Crosby Buttle(トゥオル) / Julian Boyce(ヴォロンウェ)/ Philip Lloyd-Evans(エクセリオン

 この氷結は恐ろしいことだ(訳は『終わらざりし物語(上)』より)

 死すべきさだめの人の子はエルダールに比べると視力が良くないんです…。
 急に出てくるエクセリオン

3. Scene Six: This is strange in you, Voronwe/Philip Lloyd-Evans(エクセリオン)/ Julian Boyce(ヴォロンウェ) / Simon Crosby Buttle(トゥオル)

 お前らしくもない、ヴォロンウェ(訳は『終わらざりし物語(上)』より)

 本来はエレンマキルの台詞なのですが、彼の名前はありません。エクセリオンとヴォロンウェが親友設定です。あっランタン! ランタンがト書きに出てきました!
 なんで人間なんか連れてきたの…とヴォロンウェとぐずぐず喋ってたのにトゥオルの言葉を聞いた途端ウルモの使者だと確信するエクセリオン面白いです。


4. Rejoice that you have found../George Newton-Fitzgerald(トゥアゴン) / Simon Crosby Buttle(トゥオル)

 そなたが見い出したことを喜ばしく思う(該当なし)

 ゴンドリンは石の都市…と歌いだすトゥアゴン。ゴンドリンに愛着がわきまくっているんでしょうね。
 トゥアゴンはトゥオルをウルモの使者として認め受け入れながら、ウルモの助言に従い国を捨て海に出ることを拒むのでした。トゥアゴンを説得できず膝をつくトゥオルにイドリルが優しくしてあげるのを見ているマイグリンは是非舞台で観てみたいものです。
 この状況からよくトゥオルとイドリルとの結婚に至れたなあと思うとやはりトゥオルの人柄が優れ、トゥアゴンもまた助言は受け入られなくともトゥオル個人を受け入れる器の大きさと聡明さがありますね。


5. Instrumental: Wedding March/Demo Orchestra

 結婚行進曲。

 鐘の音から始まったり現世でも馴染みのあるクリスチャンの形式に寄せてきてるように思いましたが、厳かなだけでなく華やかさと清冽さがあってよかったです。


6. Scene Seven: There Elven lights.../Simon Crosby Buttle(トゥオル) / Anitra Blaxhall(イドリル)

 エルフの光が残っている…。(該当なし)

  トゥオルとイドリルの語らいの歌です。かなり長くたっぷりと掛け合いがあり聴き応えのある、幻想的な曲です。素晴らしい。いつか邪悪な火が襲ってくるという不安や、ニフレディルを夢見ること、西方の海へ旅立つことなど。悲観的なトゥオルに対しイドリルは彼を励ましけして明るいばかりではないが将来の希望を語っています。たぶん。


7. Scene Eight: I am Maeglin.../Stephen Wells(マイグリン) / Laurence Cole(モルゴス)

 我はマイグリン(該当なし)

 モルゴス登場ですよ! モルゴスがマイグリンを追い詰めています…と言いたいところですがこのシーンだけだとマイグリンが自分からペラペラ喋っているようにも…いやきっと酷く痛めつけられているのだけれど私の目には見えないだけなのです。


8. Scene Nine: Ilu Ilúvatar/Anitra Blaxhall(イドリル) / Volante Demo Chorus / George Newton-Fitzgerald(トゥアゴン) / Julian Boyce(ヴォロンウェ) / Stephen Wells
マイグリン) / Philip Lloyd-Evans(エクセリオン) /Simon Crosby Buttle(トゥオル)

 イルーヴァタールの御名を讃えよ。(該当なし)

 マイグリン拘束、解放からこのタイトル、次の曲はモルゴス登場でしたので、もういきなりゴンドリンが襲われてエルに助けを求めるシーンなのかと思ったのですが、サイトの歌詞を見るとどうやらクウェンヤです。つまり、夏の門の大祭です。喜びの歌声が奏でられております。美しい〜。歌詞の一部で検索すると"The Lost Road & the Other Writings"(HOME FIVE)ですね。『ユリイカ』1992年7月号の『失われた道』(赤井敏夫訳)を捲っていくと、おお、ありました! 冒頭がまったく同じ、断片的な詩が書いてありました。
 高らかに歌い上げるというよりは粛々とした信仰と感謝を表した歌のようですね。祭りというより奉り、なのかな。

Ilu Ilúvatar en kárë eldain
i fírimoin
ar antaróta mannar
Valion.
Númessier.

―父神は妖精(エルフ)と人間(モータル)のために世を創り給いき、しかしてそれを西方におわす支配者の手に委ねたり

 
9. Morgoth is upon us!/George Newton-Fitzgerald(トゥアゴン) / Volante Demo Chorus / Philip Lloyd-Evans(エクセリオン) / Simon Crosby Buttle(トゥオル)

 モルゴスは私たちの上にいる!(該当なし)

 トゥアゴンの気持ちが完全に折れてしまいました。しかし民たちが自分を守るために戦って死ぬよりは逃げて生きて欲しいと。塔の上に向かいます。
 父親と同じように投げ捨てられるマイグリン…呪いが成就してしまいました。辛い…。


10. Ah! Woe is me,/Anitra Blaxhall(イドリル) / Simon Crosby Buttle(トゥオル)

 ああ、私の悲しみは。(該当なし)

 トゥアゴンにどうか塔から逃げて、と願うイドリルでしたが…。悲しみにあふれた曲です。
 思えば、トゥアゴンの初登場シーンがこの塔であることは必然だったのですね。そこから始まり、そこで終わるための。
 

11. The fume of the burning,/Volante Demo Chorus

 燃え尽きる煙、(該当なし)

 エクセリオンがイドリルとトゥオルを逃がさんとバルログに挑みます。 


12. Then a green turf came there,/Volante Demo Chorus

 やがて緑の芝生が覆い尽くす。(該当なし)
 
 歌詞にはこの続きに世界が変わるまで黄色い花が茂ったとありますので、金鳳花…金色の髪の彼の名残りがここで歌われているのです。


13. Epilogue: I know a window in a western tower.../Simon Crosby Buttle(トゥオル) / Volante Demo Chorus

 私は西の塔の窓を知っている…(該当なし) 

 船出にふさわしく、晴れ晴れとした寂しい心地がします。静かに西へ漕ぎ出す船の歌です。
 ここでまた謎の声でクウェンヤの歌詞が。もう絶対サイトに載っていなかったら英語じゃないことにも気がつけなかったのでほんとうにありがたいことです…。検索すると出典は"The Monsters and the Critics"…持っていない本ですね。持ってない本の方が多いのです…。これもクリストファー教授のお仕事です。素晴らしい。

Man kenuva fáne kirya Who shall see a white ship
Métima hrestallo kira, leave the last shore,
i fairi néke the pale phantoms
ringa súmaryasse in her cold bosom
ve maiwi yaimië? like gulls wailing?

 しかし歌詞を見ても、この歌に歌われている状況がよくわからないです。愛情のない彼女とはまさかイドリルのことでしょうか? 単に気を失っているだけ? なぜそんなことに?
 カモメのように泣いているの? というフレーズにどことなく"Into the West"を感じます。この詩がインスピレーション元なのかな? 作詞はフラン・ウォルシュ氏なのでそうなのかな…?

 トゥオルがこれは別れの厳粛な歌だと歌っています。
 誰が白い船を見るのでしょう、とトゥオルに語りかけるクウェンヤの部分は”DISTANT FEMALE VOICE”による歌唱になっています。遠くの声…語り手なのか、海の向こうに住まうエルフなのか、もっと上の存在なのか、生者か死者かもわからない声。

14. Oh happy mariner/Anitra Blaxhall(イドリル) / Volante Demo Chorus

 おお、幸せな航海者。(該当なし)

 ト書きにはイドリルを受け入れるトゥオル、船に乗り込む2人、霧が晴れると1人で立つイドリル、とあります。
イドリルに語りかける歌声は”DISTANT MALE VOICE”です。倒れた塔の上に…とあるのでマンドスの館にいるトゥアゴン…? それともゴンドリンの陥落を一部始終見ていた存在?

 閑話。
Man kenuva lumbor ahosta Who shall see the clouds gather,
menel akúna the heavens bending
ruxal’ ambonnar, on crumbling hills,
ëar amortala, the sea heaving,
undume hákala, the abyss yawning,
enwina lúme the old darkness
elenillor pella behind the stars
talta-taltalar falling
atalantëa mindonnar? upon fallen towers?

 うーんと唸りながら歌詞を眺めていると前回の記事でわからないなーと騒いでいた「湾曲する天空」が出てきてのけぞりました。"menel akúna"。ここでまたこの言葉を目にするとは…トールキンの調べ物はすぐこうやって寄り道をしてしまうので時間がいくらあっても足りないのです。

 閑話休題

 途中から混乱していたのですが、この2曲はトゥオルとイドリルの航海のことではないんですね。引用されているクウェンヤの歌がどういう状況で歌われたのか知らないので、どの程度Paul氏のアイデアが入っているのかわかりづらいのですが、このオペラの始まりが「彷徨うエアレンディルの歌を私たちに聴かせて…」だったことを思い出します。さきほど疑問に思った、気を失っている女性はおそらくエルウィングのことですし、トゥオルが「西の塔の窓を知っている/それは天の海に開かれている」と歌い、イドリルが「白い風の塔」歌うなどエアレンディルとエルウィングのことだな、とわかる部分もあります。もしかしたらヴォロンウェのことを歌っているのかしら、という箇所もあります。(このことによらず私は思い込みが激しいので、勘違いをしている可能性もあります。)母親であるイドリルがアマンから何らかの力を借りてエアレンディルとエルウィングを見守っているとしたら、共に地に足をつけた暮らしのできない彼らを痛ましく思うのは自然な成り行きかと思います。

 だけどどうにも未来を予見している部分もあるようなのです。遠い声は「歌を聴かせて」と言っていた存在とは別物とされていますので、未来のエアレンディルとエルウィングなのでしょうか、それとも見通す力を持ったアイヌア? エルダール? 

 歌はやがてイドリルと遠い存在の男性 の声が重なり、最後は遠い存在の男性のソロで終わります。

Man kenuva métim’ andúne? Who shall see the last evening?

 誰が最後の夜を見るでしょうか?


 調べてもわからない事も多いのですが、それ以上にわかることもたくさんあるので調べるのは大事だなと改めて思いました。勢いで"The Monsters and the Critics"も買いたいところですが、少々疲れました。前回以上にとりとめのない記事になっており、たいへん読みづらくて申し訳ありません。しかしこの数週間ひさしぶりにトールキンの世界にどっぷりと浸り幸せな時間を過ごすことができました。
 読んでいただいてありがとうございました。


(2018年9月24日追記)
"I know a window in a western tower"で始まる"The Happy Mariners"というタイトルの詩がHOME TWO、エアレンデルの物語にあることを教えていただきました。
(情報提供:カメハメさん    @Katsuobushield)

 2つ前の項に"‘Sing us yet more of Eärendel the wandering, Chant us a lay of his white-oared ship,で始まる"The Bidding of the Minstrel"という詩もありまして、エアレンデルの物語から2つの詩をオペラ版のプロローグとエピローグに引いて来ていることがわかりました。

 『ベレンルーシエン』の予告がCDのブックレットにも載っていました。
 という文章が途中で途切れるミスがありましたので、修正しました。
 また、サイトに歌詞と物語のすじが載っていることも改めてわかりやすい箇所に書き加えました。

(2018年9月27日追記)
 今回このオペラに取り組めたのは読書会で"The Fall of Gondolin"に取り組んでいたおかげです。ありがとうございます。
 という文を掲載し忘れていました。ミス多くて申し訳ありません…読書会主催のdisp @mithrimnemuiさま、メンバーの皆さまには改めて多大なる感謝とお詫びを申し上げます。

HOME読書会
http://hmiddleearth.web.fc2.com


参考文献
"The fall of Gondlin"
"The Silmarillion"
『新版 シルマリルの物語』
"Unfinished Tales"
『終わらざりし物語(上)』
"THE HISTORY OF MIDDLE-EARTH VOLUME 2 THE BOOK OF LOST TALES PART TWO"
ユリイカ トールキン生誕百年―モダン・ファンタジーの王国』1992年7月号

2018年6月、3度目の台北

 行ってきたお店
Dream Of Hobbiton(夢見哈比屯)
https://www.facebook.com/pages/Dream-of-Hobbiton/330283453726636
台北市中山區中山北路二段11巷7之2號 (02)2581-0826
営業時間 11:30~24:00
休業日 年中無休(旧正月は3日間休み)


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 2013年に台北ホビットの映画を観た
http://momomomo1232.hatenablog.com/entry/2016/03/19/121558
で、そのうち書きたいと言っていたドリームオブホビトンさんにこのたび(2018年6月23日)3度目の訪問を果たした。オーナーさんの趣味で映画のプロップとかが置いてあるカフェ。トールキン映画好きにはもちろんおすすめ、そうでなくても台北を訪れて中山周辺で1、2時間暇になったらこのお店でまったりするのもいい。天井が高くてソファもふかふかで落ち着くんだ。

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 写真でかくてすみません。お店の入口すぐ横にこんなふうにプロップがどーんと飾ってあって、店員さんに写真を撮っていいか声をかけるか、そうでなくてもお会計の時に写真撮らなくていいの? ほらほら! って感じで兜や剣を持たされて写真を撮らせてもらえる。親切すぎる。夜のお客さんが多い時間帯はわからない…。

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 3度目にしてかぶることになったサウロンさまの兜、重い。ナルシルを構えたりレゴラスダガーを両手に持ったりやりたい放題。サルマンの杖も持たせてもらった(^O^)


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 2015年に行った時はロケット&グルートのちょうでかいフィギュアがありました。ピント合ってないので写真を上げられないがゴラムのフィギュアもある。スターウォーズのグッズも少しあった気がするけどカイロ・レンと出会う前だったのであまり知識がなかった。

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 メニューはわりと普通のカフェ、夜はバーでちょっと肉料理とかも食べられる。この辺りは日本人向けのホテルも多いし観光客が入りやすい小籠包のお店が二軒、安価な食堂や日本にもあるチェーン店にマッサージのお店がいっぱい。近くのデパート欣欣百貨にまあまあの映画館もあるので夕方に飛行機が着いてちょっと疲れてるけどその日のうちにどうしても一回だけ映画観たい! でもあんまり移動したくない! って時に映画観てちょっとお茶飲むのにもいいんじゃないかな。それか私みたいに最終日で疲れきってる時とか。百貨店の地下にもフードコートあったな…最悪コンビニ飯でも楽しい。外国のコンビニとかスーパーはテンションが上がる。お店はプロップを置いてあることを除いてもなんとなくファンタジーっぽい。夜遅くまでやってる。やっぱりおすすめする要素しかない。英語もろくにしゃべれないが何とかなる。なった。

 ところで家族旅行だったんだけどJTBのダイナミックツアーで申し込んだら一人で飛行機とホテル予約するより安かったので悔しい。チャイナエアだったからチェックインも楽で、日本語表示もある機械にパスポート突っ込んで何回か確認ボタン押すだけだったし! 梅雨が明けるか明けないかという微妙な時期に行ったせいもあると思うが。シーズンオフに同じ趣味の友人を誘って新作映画や舞台やライブの台湾公演を観に行くなら2週間前とかでもめっちゃ安いのでギリギリまであきらめないでほしいな…と強く思った。ひとりで行くなら一ヶ月以上前に予約した方がいいね…。その後7月上旬に夫が友人とふたりで旅行した時はPeachで安く予約できてたのに台風で帰りの飛行機が飛びそうにないので急遽3万6千円出して別会社の早い時間帯のチケットを購入、ギリギリで日本に帰ってきてたので、みんなも台風には気をつけてほしい。

 今回の反省点、適当に買ったガムにアスパルテームが入っててお腹壊したから次からは気をつけて。

参考:台北ナビ
Dream of Hobbiton | 台湾グルメ・レストラン-台北ナビ
山中さんのレポ
middliel.blog.fc2.com


 行ってみたいお店
but.we.love.butter
https://www.but.com.tw/
https://www.instagram.com/but.we.love.butter/
台北市松山區富錦街102號 │ 02-25471207 │ service@but.com.tw │
│ open_Mon.-Fri. 13:00-20:30 / Sat.-Sun. 12:30-20:00 │
 松山空港近くにあるというクッキーやパイナップルケーキのお店。行ってきた人の話によるとお店のたたずまいがキングスマンっぽいとか。インスタにもその片鱗が。めちゃくちゃ行ってみたい。帰ってきてから情報を知った。

あとで読む記事

◇『キャロル』

オンライン時代のカルト作品──映画『キャロル』が再び注目される理由

2017.10.30 MON 19:00 WIRED JAPAN

https://wired.jp/2017/10/30/carol-modern-cult-movie-fandom/

 

Cate Blanchett Says Harvey Weinstein’s Name Didn’t Help ‘Carol’ at the Box Office, Hopes He Goes to Jail
Zack Sharf May 2, 2018 11:20AM EDT IndieWire

http://www.indiewire.com/2018/05/cate-blanchett-harvey-weinstein-carol-producer-jail-rape-1201959575/amp/

 

指輪物語の前日譚ドラマ化決定とオークの生態解説└(^O^)┐

Amazon announce new Tolkien television series

www.tolkiensociety.org

The series will be set before The Lord of the Rings, will span several series and include the potential for a spin-off series.

 前日譚!スピンオフ!このあとのソサエティ会長の我々に早いクリスマスがやって来たというコメントがいいですね。

 未踏の物語の映像化ということで、ホビット指輪物語本編より前の時代で追補編に記述があるあたりではないか?という予想がされています(°◡°)

 

 アマゾンのプレスリリースも

Amazon - Press Room - Press Release

 

 

 10:12am PT by Lesley Goldberg

It's Official: 'Lord of the Rings' TV Series Gets Multiple-Season Commitment at Amazon

www.hollywoodreporter.com

 

 

 / 

指輪物語」のTVシリーズAmazonにて複数シーズンの制作が決定

jp.ign.com

 

 

【特別授業】大学教授に「シャドウ・オブ・ウォー」のオークの生態について聞いてみた!(PR)

www.youtube.com

 ゲーム知らなくてもめちゃくちゃ楽しいやつです。指輪のなりたちやあの世界での人間の魂の話とかヒャッハー

外務省サイトに森薫先生のクッキング漫画掲載

中央アジア+日本」対話・東京対話第10回記念
森薫先生執筆「みんなで作ろう!中央アジアクッキング」
平成29年9月4日

http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/ca_c/page24_000897.html

 少し前に『乙嫁語り』の原画展示会もあったようです。会場が外務省の建物だったとかで応募もすぐ締め切られてしまったとか。

 

 森薫先生とお料理と言えば、以前コミックナタリーの企画でポロとラグマンを作っておられました。すごく美味しそうですし手早い雰囲気が伝わってきますよね〜(๑´ڡ`๑)

森薫乙嫁語り」 (レッツ乙嫁クッキング!森薫と作るおいしい中央アジア料理)- コミックナタリー 特集・インタビュー http://natalie.mu/comic/pp/otoyomegatari02

 

 漫画のつづきが楽しみです。