往きて迷いし物語

もるあきがトールキン教授やPJ監督に翻弄されるブログ・『この世界の片隅に』備忘録

ホビトン ムービー・セット

 2016年1月17日、ニュージーランドはマタマタにある映画『ロード・オブ・ザ・リング』と『ホビット』のロケ地、『ホビトン ムービー・セット』へ行って来ました。
 同行者は『ロード・オブ・ザ・リング』は観たことがあるけれど『ホビット』はまだ観ていませんでした。

 ニュージーランドへはパッケージツアー、ホビトンへ行くために一日延泊してオークランドでの自由行動日を作りました。ロトルアに泊まってホビトンかトンガリロ国立公園を選択するツアーもあったのですけれど、そのコースだと北島にしか行けなかったですし、昼食もホテルかレストランで取らないといけなかったので。
 日本語ガイド付きの『ホビット村ロケ地ツアー』オプショナルツアーをお願いしました。(あとで知ったのですが、ツアー会社のサイトで直接申し込むことも可能です。日本語で申し込めますし、ネット割引もあります。また、他の会社になりますがデイ&ナイトの丸一日ツアーもあります。最小催行人数二名からなのが個人旅行者にはつらい。)
 ホビトンツアー当日の朝にツアー会社の方が宿泊ホテルのロビーまで迎えに来てくれます。この方が車での送り迎えもツアーガイドもしてくれます。この日の参加者はおらたち二人だけでした。ゴクリ、ゴクリ。

 マタマタまでのドライブは2時間ほど、日曜でしたのでスムーズな道のりでした。ドライブの間ずっとガイドさんがニュージーランドの色々な話をしてくれて、マタマタ到着まで30分ほどになるといよいよホビトンの話に。
 …ウェリントンからオークランドへ向かう列車に乗ったありし日のピーター・ジャクソン青年の手には『指輪物語』の原作本が…車窓の風景に想像力を刺激され…といった具合です。
 否が応でも高まる期待にやがて車はマタマタの町を抜け牧場地帯へ。どんよりしていた空も晴れ間が見えるようになりました。…『ロード・オブ・ザ・リング』の映画を撮ることになったピーター・ジャクソン監督はヘリを使ってこの土地を見定め…そうこうしているうちに車外に見えたのは「ホビトン ムービー・セット」の看板。

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 ついにホビトンの入り口にやって来ました。観光用インフォメーションサイト、「シャイアズレスト・カフェ」「シャイア・ストア」、そしてホビトンへ向かうバスの待機所。濃い緑色に金色の文字で「HOBBITON」、バスもビルボとフロドの家の扉と同じく濃い緑色でした。

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 次のバスが発車するまでの20分ほど自由時間となりました。数年前にできたばかりの建物なので、トイレも広くてとてもきれいでした。
 ショップにはホビットモノポリーやウェタ製の地図にアクセサリー、ポスター、各種資料集等々並べてあって、それはもうたいへんでした!緑竜亭のTシャツとミドルアースの写真集、別に今ここで買わなくてもいいトールキンの中つ国マップなどを買ってしまいました。レジでホビトン図柄の切手はいかが?と聞かれ、思わず購入してしまいます。
 2階のカフェも覗いてみたのですが、たいへんな混雑ぶり。ツアー申し込み時には「シャイアズレスト・カフェ」で昼食の予定だったのが変更されたので、飲み物だけでもと思ったのですが…。

 ツアーバスの運行に合わせてガイドさんの運転する車でホビトンへ向かいます。おらたちは敷地内で昼食を取るので、帰りのバスには間に合わなくなってしまいますもんで。
 バスの通る道はPJ監督が「ニュージーランドで撮影する大作映画のために」政府に援助を願ったところ、お金は出せないけど人手なら、と派遣された軍隊が作った道です。途中の丘から見える景色がPJに「こここそがホビトンだ」と思わせたのだそう。ところで私は写真がとても下手です。なだらかな起伏の丘と丘の間に点々と木々の小さな塊が見えました。

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 道の途中には撮影用の機材を積んだトレーラー等が停まっていた駐車場も見えます。今はホビトンのスタッフ用の駐車場。

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 ムービーセットのパンフレット、入場記念地図、日本語解説用紙です。以前はツアーガイドさんが喋っている横で日本語ガイドさんが同時通訳していたそうなのですが、そのやり方だと英語圏の人に迷惑がかかるのでこのような解説用紙を配布しているそうです。このことはオークランドのホテルに着いた時に旅行会社の方から説明されていました。

 しかし実際にはツアーガイドさんから少し離れた場所で声を低めて日本語でのガイドを行ってくださいました。赤いカバー?をつけたタブレットで映画のシーンのキャプチャを見せていただきながら日本語で解説を聞き、実際にその場所を見学できました。少人数でしたのでゆったりとした雰囲気でした。
 ビルボやフロド、ガンダルフが通った道などは人が集中するので背景のみを写真におさめるのは難しかったです。

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 ホビトンの畑でとても大きなかぼちゃが取れたので型を取ってレプリカを作りあちこちに置いてあるとか、あるホビットの家の前に置いてあるピクルスの瓶の中身は本物なので定期的に取り替えているとか、撮影が終わった後もセットを維持するためにスタッフさんたちが尽力されているようです。この細かい工夫のおかげか、同行者もガイドさんに質問をしたり、たくさんの写真を撮って楽しんでいたので安心しました

 袋小路屋敷の上の木も、傷んできたので少し前に葉っぱを全部つけ替えたそうです。その時期に訪れた人は木の幹だけになった姿を見て帰ったのだとか…。自分が行った時にそんなことになっていたらショックですね。

 パーティツリーは本物の木で、オーストラリア原産のとても成長の早い松の仲間だそうです。袋小路屋敷の上の木以外はすべて本物の木で、どうしても原作に合わせないといけない木には別の果実や葉っぱをつけたりしたということです。

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 映画では袋小路屋敷の横あたりからビルボが飛び出して駆けて行ったのですが、ガイドさんに、急な坂になっているでしょう、と言われて見てみると本当に急勾配の草の生えた道、いや、映画では道のないようなところを走っていました。映画の撮影の苦労は追補編でたくさん見て知っていたのですが、「ここをホビットの足をつけて駆け下りて」と言われたら怯えて、転んで大怪我をしてしまうな…と、この時初めてその苦労を身近に想像して考えることができました。
 『ホビット』も『ロード・オブ・ザ・リング』も撮影の過酷さは様々ありましたから、ホビトンのロケはまだそれほど大変なものではないのかもしれませんが、このシーン一つ取っても坂道を走り下りてどのコースが良いか調べたり、ホビットの足がしっかり嵌まるように調整したり、天気待ちだったり、マーティンがよい演技ができるようにスクリーンでは見えない苦労が山ほどあったのですよね。

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 いよいよ袋小路屋敷の前へ!ここは常に人がたくさんいる場所なのですが、みんな行儀よく並んでいて、「宴会の用以外お断り」の看板やあのベンチの写真を撮り、自分の前に並んでいる方のカメラで記念撮影をしてあげていました。ニュージーランド旅行中はどこでもそんな雰囲気でしたね。ホビトンではみんなとても嬉しそうですし、映画を見た事のない人たちも小さな可愛らしい家や美しい景色に感心せずにはいられないと思います。

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 袋小路屋敷へ登って行く道の途中に黄色な丸いドアの、だけどサムの家ではないとわかるその家の前で、ガイドさんからクイズを出されました。この家に住んでいるホビットは?映画にも名前つきで登場します。ヒントはスプーン。そう、ロベリア・サックビル・バギンズの家なんですね。煙突の様子からするとそこそこ広めの家でした。もちろん、袋小路屋敷には及びませんが!そしておらは写真を取り違えてないといいんですが…。

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 そしてなんと、ギャムジーとっつぁんの家、サムの実家も黄色いドアなんですね。映画を観て確認しなくては…!

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 サムとロージィの新居、『王の帰還』のラストに映るのがこの家のはずです。だけども、ガイドさん曰く『ホビット』でこの家を建て直した時にドアの形を間違えてしまった(!)とのことです…。ドアの下はしが地面に平行に切られていたのに、まん丸く作っちゃったんだとか…(@_@;)大急ぎで何十軒も建てたんですから、そんなこともあるのでしょう。

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 ホビットの家々や美しい花の咲く畑や果樹を眺め、広々としたパーティー広場を通り抜け、ぐるぐる細い道を歩いて緑竜亭へ向かいます。

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 ホビトンには珍しい茅葺き屋根!緑竜亭の他にもう一軒、粉挽き小屋のみが茅葺きです。他のホビットたちは無論、丸いドアの穴の中に住んでいますから、屋根なんか葺かないんです。石造りの立派な橋も茂みに隠れた小さな橋も映画のために作られたものです。地形に合わせて道を敷いたので、原作とは食い違う部分もありますが、ここは映画のホビトンなので問題ありません。たぶん。

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 この素晴らしい彫刻はマオリ族の職人に依頼したもの。緑竜亭では飲み物のサービスがありますが、ジンジャービアがノンアルコール、アップルサイダーはアルコールです。マグとビールは同じものが「シャイアズレスト」で売っています。
 宿帳のイライジャのサインも撮影したのですが、スマホを壊してしまったので、グーグル検索でどうぞお願いいたします。

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 待ち望んだ昼食です。緑竜亭の横にビルボの誕生会の時に立てられたような立派なテントが張ってあり、中は何十人も、ひょっとすると百十一人が一度に食事できるような広さでした。ビュッフェ形式でお料理を好きなだけお皿に盛っていただきます。
 おいしいお肉にじゃがときのこをたくさんいただきました。おやつには田舎風のケーキがいく種類もあったのですが、ご馳走をいただいたあとだったので、ひと切れ食べるのがやっとでした(o´3`o)とても美味しかったです。
 ガイドさんも一緒にお食事をしたので、色々とお話をうかがいました。夏はやはり月に何度もホビトンへ来てお客を案内してまわるそうです。ホビトンの英語ガイドさんとの情報交換を密にされているふうでした。そうでなければサムの家の扉のことなど、なかなかわかりませんものね。もしガイドさんに当たりハズレがあるとしたら当たりの方に担当していただけたと思います。

 たっぷりいただいた後に名残を惜しみながらホビトンを去りました。帰りがけには行きに興奮しきっていて目に入らなかった仔羊の群れも見ました。ホビトンへ入ってこないよう電気柵がしてあるので、中の畑の野菜やお花たちが守られているのです。

 マタマタを離れる前にアイサイト(ニュージーランドのあちこちの観光地にある小さなインフォメーションセンター)へ立ち寄りました。ここも映画の公開後、ホビットの家風の丸いドアと窓に改装したそうです。中にはゴラムの像があり、写真を撮ることもできます。撮りましたがスマホを壊したので、グーグル検索でどうぞお願いいたします。
 ここではトーリンの切手セットなど「シャイア・ストア」になかったものも置いてありました。

 オークランドへ車で送ってもらい、ツアーは終了です。道中せっかく色々お話しくださったのに、寝てしまって申し訳なかったです。
 スマホアプリでのリンクの貼り方がわからないので、ツアー会社サイトのURLをかいておきます。
ナビ アウトドアツアーズ ニュージーランド
http://navi.co.nz/new/


 これを読んでくださった方に少しでもホビトンの素晴らしさが伝わればいいのですが。おつきあいいただき、ありがとうございました。