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往きて迷いし物語

もるあきがトールキン教授やPJ監督に翻弄されるブログ・『この世界の片隅に』備忘録

みんぱくでモンゴルのゲルに入ってきた

 吹田市にある国立民族学博物館に行ってきました。今年の3月にもいったのですが、その頃はまだ北アジアアイヌの新展示がまだ見られなかったのです。

 今回はモンゴルの移動式天幕型住居、ゲルを展示用に提供してくれた元住人のエンフバト氏と奥様のミンジン氏が来日されてお話をして下さるという企画に参加してきました。国立民族学博物館の併任教授の小長谷有紀氏が通訳と解説をして下さり、他にも通訳や記録、案内のために数人の方が携わっておられました。ありがとうございます。

 「おもてなし草原流」というテーマで、実際にゲルにお招きいただき、お茶やお茶請けのチーズ、お酒を(博物館の中なので飲食禁止のため空杯で…)いただきました。ゲルに入る際には、こんにちは「サィンバイノゥー」と声をかけ、男性は左側、女性は右側に着座します。参加者は女性が多かったので左側にも座ったのですが。
天井は布の上にフェルトを張りさらに布で覆ったもの、中央に竈の煙突を出すためと明かり取りにもなる穴が空いています。雨が激しい際には閉めることもできます。竈の両脇には二本の柱がありますが、これで天井を支えているのではなく、細い木を組み合わせた骨組みでドーム状の天井を支えています。
 この骨組みは折りたたんで運ぶことができます。
 では竈の両脇の柱は何のためにあるのか?と言いますと、竈の神様を守るための結界になっていて、その柱の内側へは入らないように…ということでした。

 モンゴルの遊牧民同士の社交的な会話は「おかわりありませんか?」に対して「いいえ、何もありません」と答え、平穏さを称えるというもの。とは言え、実は家族が亡くなっていたり病気であればその話はおいおい…、ぼちぼちしていくということです。

 お酒を振る舞われた際には薬指を軽くひたし、天・地・人に捧げてからいただきます。薬指は大事な指で、ヨーグルト作りの時に温度を確かめるのもこの指で行います。他の指は副交感神経、薬指には交感神経のツボが通っているのですね。先日魔法のアイテムはなぜ指輪なのか? なぜ薬指なのか?は調べて途中で放り投げていたのですが、思わぬところでヒントをもらいました。身体の機能はどのような種族であれ共通していますから、他の文化でも薬指が特別視される根拠はちゃんとあったのです。

 モンゴルには嗅ぎたばこの交換の習慣もあり、袱紗のようなきれいな布に包まれた小さな瓶を相手と交換し合い、瓶の中身を爪の上に乗せて鼻で吸い込んで匂いを嗅いだあと、瓶を返すというもの。
 これも参加者全員が実際にさせていただきました。たばこといっても火も使わずお香のようなとても良い香りのする液体が入っているようでした。ニコチン成分が含まれた刻みたばこと同じような嗜み方をするだけのものでした。とは言え、普通、子供はこの嗅ぎたばこは嗜まないということでした。

 他にも奥様のミンジン氏お手製の衣装を羽織らせていただいたり、放牧には馬だけではなく車も使っているお話をしていただきました。フェルトを丈夫にするために昔は馬で、最近では車で引きずるのだとか。長谷川町子さんの旅行記漫画で読んだことがありますが、絨毯も仕上げに人の足で踏んだり車で轢いたりすることで風合いが良くなるそうです。

 狼は家畜の主に子供を狙う害獣であり脅威であると同時に畏怖の対象でもあり、日中に狼と出会うことは吉兆とされているそうです。
 狼の肉は食べるのか?という質問に対し、同物同治の考えから体の不調のあるのと同じ部位を食べることがあると説明がされました。脳みその煮込んだものはカルボナーラみたいで美味しいそうです(✽ ゚д゚ ✽)
 また狼や家畜の踝の骨はお守りになったり、骰子にしたりするそうです。

 布や彫り物の細工も基本的には自分たちの手でするもので、得意な人にお願いしたり…でも、フェルト作りなどは売っているもので済ませる人も増えてきているそうです。

 まあまあテンパっていたので肝心のゲルの写真を撮り忘れるなどしました。

 たいへん興味深くとても濃い時間を堪能いたしました。エンフバト氏、ミンジン氏、国立民族学博物館のみなさま、ありがとうございました。 

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