往きて迷いし物語

もるあきがトールキン教授やPJ監督に翻弄されるブログ・『この世界の片隅に』備忘録

『この世界の片隅に』展を観に呉へ行ってきた(前半)

 2016年8月20日、呉市立美術館で開催中の『この世界の片隅に』展を観てきました。前半では大和ミュージアム周辺と真木プロデューサーのお話について書きました。

 展覧会やイベントが開催されずロケーションマップ等作成されなかったら腰の重い私が呉まで行くことはなったと思いますので、呉市立美術館様並びに「この世界の片隅に」を支援する呉・広島の会の皆様、その他この映画を支援するため協力してくださっている皆様に厚くお礼を申し上げます。

呉市立美術館
http://www.kure-bi.jp/

この世界の片隅に」を支援する呉・広島の会
http://shien.konosekai.info/


 呉駅に到着したのは夜でしたのでARすずさんの写真を撮る背景に困り、くれと名前の入ったお店の前で撮らせていただきました。食材の海苔を届けに来たんですな。

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行けるアニメ!舞台めぐり
http://www.butaimeguri.com/

 翌朝、駅前で改めてすずさんの写真を撮ろうと試みたもののうまく行かず諦めて飲み物を買いに入ったコンビニで"水兵さん"に遭遇してポカーンとしてしまいました。海自の街なのだから教育隊の方が買い物しているのは当たり前の光景なんでしょうけど、すずさんのことを考えてたら突然目の前に水原さん(みたいな人)が何人も何人も現れたので、現実かどうか飲み込めなくて…失礼にならなかったか心配です(^o^;)


 駅から歩いて大和ミュージアムへ。早めに着いて甲板型デッキから海や船、展示してある遺物を見学しました。地元の人が観光客に船…艦船の説明をしていて、遠くに見える黒いのがどうやら潜水艇であるらしい。後に大和ミュージアムの2階で確認したのですが、瀬戸内海を航行できる小さな潜水艇があるんですね。
 写真を撮っているうちに、街が本当に嶺に囲まれているのを見て涙ぐむという…早くも聖地巡礼の醍醐味を味わっておりました。終盤のすずさんの台詞は、彼女の呉という土地への気持ちの変化が現れているのだなあとしみじみ思いました。

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 大和ミュージアムではツイッターで教えていただいたミュージアムショップでチケットセットを買いました。大和ミュージアムと入船山記念館の共通券、呉市立美術館の入場券、くれたんループバスのチケットにこうの史代先生の鳥の絵が使われているチケットホルダー、くれたんを使った「この世界の片隅に」見学モデルコースも載った地図がセットされていて1800円のお得なセットです。
 美術館のチケット単体はホテルなどでも販売中されているようでした。

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 大和ミュージアムは駆け足気味の見学でしたが、遺品や遺書などの展示にはやはり気持ちが重たく、という表現が不適切に感じるほど揺さぶられました。まさに悲しくてやりきれないとしか言えないような。特別展示の沈没した大和の現在姿の映像にも胸が痛みます。きれいな映像で見られることを喜ぶのがいいのかな、難しいです。2階の船の科学コーナーは楽しかったです。


 お土産に海軍カレーを買い込み、くれたんループバスで呉市立美術館へ。公式アートブックの予約を済ませたら地階で開催されたトークイベント「映画『この世界の片隅に』ができるまで」に参加。株式会社ジェンコの真木太郎プロデューサーのお話を聞きました。

ジェンコ
http://www.genco.co.jp/

 トークの内容は呉市立美術館の公式アカウント 呉市立美術館 (@kure_bi)さんが「イベント中継」という単語(タグではないので注意)でレポートされているので、大筋はそちらをご覧ください。私が参加できなかった、こうの先生と片渕監督のトークショーの内容も見られます。
(「from:kure_bi イベント中継」「」内でツイッター検索)
 片淵監督のコメントもTogetherなどにまとめたいけれど、ツイッターアプリの調子がよろしくないです(ToT)

 レポートと重複する部分もありますが、印象に残った話を思い出せる範囲で書き起こしてみます。言葉遣いなど忠実ではない部分もあるかと思いますが、ご了承ください。


・プロデューサーの仕事はいいものを作ることとお金を集めること。

・ある映画をプロデュースをした時、良い作品で映画館には若い人お年寄り幅広い客層だったが、興業的には失敗、今ならもっとたくさんの人に観てもらうことができる。(今も評価の高い作品です…円盤待ちは監督を干上がらせるので、行ける時には観に行こうと強く思いました)

・片渕監督の前作『マイマイ新子と千年の魔法』もビジネスとしてうまくいかなかった(素晴らしい作品で口コミで観客が増えロングラン上映もされたが、製作中に資金を集めて製作に存分に注力し大々的な宣伝を打つことができなかったということかな?と思われます)

・『この世界の片隅に』も長いあいだ資金を出してくれる企業はなかった。地味そう、人気は出なそう的なことを言われた。企画を考え持ち込んで面白そうと言ってもらっても資金は出してもらえなかった。(スポンサーが出資したがる作品と観客が観たい作品の乖離は深刻な模様)

クラウドファンディング好調のネットニュースが(この辞典で映画製作を知らなかった)ファンの元に届いた。映画館からうちでこの映画をかけたいと連絡があった。(作品・監督を好きな人から映画好きな人、経営者レベルにまで波及していった)草の根的なことがこの映画にとって象徴的なこと。終わった後でも支援したいという声が届いた。

・映画の製作の目処がつい時点でのクラウドファンディングを使ったプロデュースを検討していたので(映画公開前の今でない時期に)ネットニュースにたくさん取り上げられたのはもったいないと思った。

・今回クラウドファンディングで得た資金は制作費の一部分だが、将来は全制作費を賄うことも可能かもしれない。スポンサーから注文をつけられることなくファンが観たいものを作れるなら美しいことだ。

・試写会を多くやりたい、(多くやると)劇場に来る人が減ると言われるが、この映画はそうじゃない。皆さんの言葉で伝えてほしい。

宣伝会議で「泣く」と予想しているシーンがみんな違う。『マイマイ新子』と『花は咲く』も泣く人は多いが、泣き所がちがう。『この世界』もそうなるだろう。(ファン同士)議論になると面白い。

・(クラウドファンディング協力者2500人の名前を載せるので)エンディングのクレジットが長い。(会場笑いの渦/マイマイ新子より長めの尺なのはこのせいかしら?)

・呉出身者による方言指導。

・上映劇場は今後も増える予定。サイトをチェックしておいて。
http://www.eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=548

・満足できるできあがりになると思う。みんなにすすめることが十二分にできる。(やったぜ!)

 と、映画の宣伝に興味あるマンなのでたいへん面白くお話を聞きました。監督の望みは全編忠実な映像化だったということですが、素人考えでも尺が足りません…プロデューサーさんのお仕事って本当に大変ですね。


 『この世界の片隅に』は読んで好きになった人が「どこがどういいのか」伝えるのが難しい作品ですし、好きなシーン投票をしてもたぶんバラけそうですし、片渕監督の作品もそうなんですよね。その二人の絶妙なマッチングが本作品の魅力であり、期待ともなっているわけですが、プロデュースする人は本当に大変だろうなと、想像した以上に大変だったことがわかりました。これから本格的に宣伝活動がはじまるし監督始めスタッフさんのこだわりも凄いことになっているようなのでさらに大変だろうけれども、がんばってください(ノ∀`)


 映画や監督を支えるために映画館に観に行こう、という話は洋画ファンアニメファンの間でもたびたび出る話題です。ただ、好きなら何度でも観に行け!とまで言ってしまうと反感を買うこともあるので言葉選びが難しいです。全国規模で劇場公開予定として紹介された映画が地方ではまったく上映されなかったりDVDスルーになったり特定の映画館での期間限定上映だったりすることが重なると、人は強い言葉を使いたくなってしまうものなのです。
 自分もこの映画を観たいし、皆にも観てほしい。その気持ちをどうやって伝えていくか、丁寧に伝えるにはどうすればいいかは考えていきたいです。『パシフィック・リム』も『マッドマックス 怒りのデスロード』も『シン・ゴジラ』も公開前はそれほど期待していなかったので口コミがなかったら観に行くかどうか迷ってたですし…。ここでそれらのタイトルをあげたら誤解されてしまう…そんなヒャッハーな映画ではない…大和とか青葉とか出てくるけどそんな…日常系のニヤニヤする感じで…。

 長くなったので後半に続きます。まだ展覧会の内容に触れられてもいません。(´;ω;`)ウッ…