往きて迷いし物語

もるあきがトールキン教授やPJ監督に翻弄されるブログ・『この世界の片隅に』備忘録

「メッセージ」記事まとめ

 記事をまとめたけれど、実は映画を観る前には一つも読んでなくて、というのもSF作品だってことは聞いていたので先入観なしに観たかったものだから。ばかうけみたいなUFO?が来て、どうやって意思疎通する?みたいな話です。予告も一回だけ観てオオ…ってなったのでその後情報を絶ってました。

 一般試写会の後でツイッターにすごくいいから観るべき!って意見が流れてくるともうじゃあいつ観に行こうかってなりまして、でも和歌山じゃ上映されない、少なくとも全国同時公開の枠には入ってないとなると大阪まで観に行くことになるのです。映画が遠くへ連れて行ってくれる、なんてことを言いますけど、この場合は実際に距離を移動することになるわけです。そして映画を観て、ああ良い映画だったとなるとやっと記事が読める、原作が読める。とは言え期待が大きすぎて観る前にパンフレットを買う始末。これは私にしてはなかなか珍しいです。

 感動したとただそれだけ言っていいのか、それこそ名前のついていない感情が突き刺さるというか揺さぶられるというか…。

 映画も原作もとても面白くて、だけど何か言おうとするとネタバレになるタイプの作品なんですね。ジェレミー・レナーのメガネ姿が良かったとかそういうのは言えるのですが。演技も良かったですよ。あの信頼感はほんとうに頼もしいですし、知的な役も似合っていました♡

 主演のエイミー・アダムスも難しい役を丁寧に演じていて、役としても丁寧に検証を重ねていくキャラクターだったのでピッタリでした。抑制の効いた演技でしっかり感情が伝わってくるのが素晴らしくて、この役ができる人はなかなかいないんじゃないでしょうか。あの空気感はすごかったです。

 ツイッターにも書いたのですがメインの登場人物というのが少ないので話を追うのに混乱によるストレスが一切ないんですよ。こいつは何のためにいるんだ? ってことにもならなくて、物語に集中できてとてもいいです。

 もうこんなところまで読むぐらいこの映画に興味があるんだったら、できるだけ早く映画館に行ってください。例によって記事やブログを貼りますが、どれもこれも映画を観るか原作を読むかどちらかだけでもしてから読むべきなので。もう何も見ないでそのまま行って。


(追記)
 メッセージにはなぜ人は何度も同じ映画を観るのかの答えがあるような気がするし、まったくの勘違いかもしれない。
…ってツイッターに書いてブログに載せようと思ってたのに忘れてたので今載せますね…。
 
メモ
arrivalの意味を辞書で確認。


映画「メッセージ」公式サイト
http://www.message-movie.jp

テッド・チャン「あなたの人生の物語」映画化&2017年日本公開決定!
ハヤカワ・オンライン 2016/09/09 12:06
http://www.hayakawa-online.co.jp/smartphone/news.html?date=20160909120623

◆映画.com
レベルが違う! 絶対に見逃してはいけない必見作!!  これほどまでに絶賛される「メッセージ」の衝撃と感動の正体とは? 映画.com編集長自らが名乗りを上げ、魅力を語りつくす徹底総力特集
http://eiga.com/movie/85583/special/

名作SF映画と徹底比較!「メッセージ」知的生命体は目的不明で神秘的
2017年1月3日 20:00
http://eiga.com/news/20170103/13/

ドゥニ・ビルヌーブ監督×エイミー・アダムス「メッセージ」本ポスター完成!
2017年3月11日 17:00
http://eiga.com/news/20170311/11/

謎の飛行体の目的は?ドゥニ・ビルヌーブ監督最新作「メッセージ」日本版予告編公開
2017年3月15日 12:00
http://eiga.com/news/20170315/10/

「メッセージ」知的生命体はどうやって作られた?来日中のドゥニ・ビルヌーブ監督が明かす
2017年4月14日 13:30
http://eiga.com/news/20170414/14/

「メッセージ」エイリアン登場シーンはあの名作を参考!ビルヌーブ監督の撮影秘話に樋口&前田監督興味津々
2017年4月15日 10:00
http://eiga.com/news/20170415/7/

メッセージ樋口真嗣前田真宏押井守解説映像
http://eiga.com/movie/85583/video/10/

「メッセージ」飛行体の形状は“ばかうけ”に影響された!ビルヌーブ監督が認める
2017年5月16日 17:00
http://eiga.com/news/20170516/13/
※ 実際には、太陽系を公転する実在の小惑星エウノミア(別名、第15番小惑星)を参考にし、「地球上にはないイメージで、人間には計り知れないように見せたい」というこだわりによってデザインされたものだという。

「メッセージ」×ばかうけ“公式”コラボポスター完成!販売会社社長「運命感じた」
2017年5月22日 19:00
http://eiga.com/news/20170522/19/


◆GizmodoJapan
映画『メッセージ』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督にインタビュー:「何らかの地球外生命体はいると思う」
2017.05.18 19:06
http://www.gizmodo.jp/2017/05/message-denis-villeneuve-interview.html

直感に突き動かされてデザインしたというのが正直なところですし、誰も見たことがない形状を目指して宇宙船のデザインは生み出したつもりだったんですけど、世界の反対側(日本)ではみんなが知っている形状だったなんてね(笑)。(※編集部注:日本では本作の宇宙船が米菓の「ばかうけ」にそっくりという声がたくさんあった)

あえて言うのであれば、フランスの漫画家メビウスに影響は受けていると思います。先日リサーチをしていて気づいたのですが、自分がもともと大好きなノルウェーの画家であるオッド・ネルドルムの絵に描かれている暗い雲が『メッセージ』の宇宙船と同じ形をしていたので、もしかすると彼の絵のことも無意識のうちに参考にしていたのかもしれません。自分でもときどき、どこからアイディアが来ているのかがわからないことがあるんですが、あの不思議だけど完ぺきな形状は何らかの形でメビウスとつながっていると思います。

 メメント・モリ


これより先はネタバレがあります。
◆映画.com

「メッセージ」の円形文字はどこまでリアル?言語のプロに聞いてみた!
2017年5月25日 13:30
http://eiga.com/amp/news/20170525/11/

◆WIRED
ハリウッド・映画・西洋──映画『メッセージ』が明らかにする3つの限界:池田純一レヴュー 2017.05.19 FRI 21:00
http://wired.jp/2017/05/19/arrival-review/
 私は映画を観てから原作を読んだのですが、その時に頭の中でイメージされた表義文字はアラビア書道がいくつも…奥行を持って重なり合ったものでしたね。テッド・チャンが想像したものはどんなものだったのだろう。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が『WIRED』日本版だけに語ったいくつかの「メッセージ」 2017.05.20 SAT 09:00
http://wired.jp/2017/05/20/denis-villeneuve-arrival/

映画『メッセージ』制作陣はいかにして「エイリアンの文字」をデザインしたか? 2017.05.20 SAT 11:00
http://wired.jp/2017/05/20/arrival-alien-alphabet/

これはコミュニケーションに関する作品であり、話し方や外見が異なる人(あるいは物体)に対する理解を深めるための努力を描く映画なのだ。

 トールキンファンはこういうの好きそうな偏見があります。

【ネタバレ注意!!】映画『メッセージ』は原作小説の「感動」を伝え切れていない:『WIRED』US版の考察 2017.05.20 SAT 12:00
http://wired.jp/2017/05/20/story-of-your-life/

ファロンが、細部まですべて理解するために小説を2回読んだということは、多くのことを示唆していると思います。まるで2回読まざるをえないよう、あえてそう組み立ててあるようにも感じます。

それは、物語や演劇や映画を、何回も体験することでその豊かさを理解することの価値を示しています。

 この記事を読んで改めて思ったのですが、原作をKindleで買ったのは失敗だったなと。端末だと紙の本のようにページをめくって「同時的認識様式」とやらを実感することができないじゃないですか…。さっと確認したいときも一枚ずつページをスワイプしてめくらなくちゃならない…これから買う人は是非紙の本をおすすめします。

SF作家ケン・リュウが語る、テッド・チャン、テクノロジーを描くこと、異文化をつなぐSFの力 2017.05.20 SAT 15:00
http://wired.jp/2017/05/20/ken-liu/
 時間がないので後で読みます(;´Д`)

◆CINEMATODAY
宇宙人と言語学者の対話描く『メッセージ』の美はこうして生まれた…ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が明かす裏側 2017年5月19日 23時01分
https://www.cinematoday.jp/news/N0091698


◆IGN
『メッセージ』という円環(の隙間) 
新城カズマが読み解くSFにおけるファーストコンタクトの系譜  2017年5月28日
 これも時間がないのであとで読む(;´Д`)

◆ciatr
映画『メッセージ』驚愕の秘話10選【宇宙船が着陸しなかった理由とは?】 2017年5月31日更新
https://ciatr.jp/topics/305768
 ジェレミーの名前…!

GIGAZINE
SF映画「メッセージ」の異星人の恒星間航行は非常に高いレベルで考証済み、監修したのは理論物理学者であのMathematicaの生みの親スティーブン・ウルフラム 2016年11月16日 20時00分00秒
http://gigazine.net/news/20161116-arrival-stephen-wolfram/
 なんだかよくわからないがスゴイ。

◆個人ブログ
映画『メッセージ』 - 我々自身、何をどう理解したのかというはなし。 farsite / 圏外日誌 2017-05-19
http://farsite.hatenablog.com/entry/message
 言語と思考の関わりについての「サピア=ウォーフの仮説」は以前軽く耳にしたことがあります。私が聞いた話はそれの前段階の二言語以上を話す人間はその時話す言語によって思考のスタイルが変わる、英語ならばアグレッシブに、日本語なら消極的に、といったものでした。でもサピアさんはそういう性格の違いじゃなくてもっと思考とか認知とかに影響してくる…、みたいなことを、言ってるんだと思います。Wikiにもまとめられていますのできちんと知りたい方はそちらを参照してください。サピア=ウォーフの仮説 - Wikipedia
異星人の表義文字を解読できるようになったルイーズにも変化が訪れ…。

(ちょっと自己完結しすぎてたので書き足しました)

#47『メッセージ』 ぼくはシネマしぇん! 2017年05月20日
http://www.hyuga.jp/blog/view/cinema/1371
 映画の最後はルイーズが決断/選択/覚悟したのですが、彼女の行動を言葉であらわすとしたらどれがふさわしいのだろうかと。映画を観た直後の私は「彼女の選択」という表現をしましたが、いくつかのツイートで「ヘプタボットで思考するようになった彼女には自由意思はないので選択ではなく覚悟を決めたのだ」という意見もありました。人間は自由意思をなくしてもなおあのように笑うことができるのだろうか? という疑問に答えてくれています。


「【至急】エイリアンの宇宙船ってどうやって動くんですか?」映画『メッセージ』スティーブン・ウルフラムのSF考証裏話 100光年ダイアリー 2017-04-20
http://100lightyear.hatenadiary.jp/entry/2017/04/20/124806
映画の科学考証を担当した物理学者がブログに書いた裏話を訳したもので、とにかくすごいんですが、私の知識不足のせいで1/10も理解できたかどうか…。しかし面白かったです。訳していただいてありがとうございます。


嵐とみる『メッセージ』 るこ 2017-05-26
 好きなブログさんでも『メッセージ』取り上げてましたヽ(^o^)丿急に雑な※例えが出てきたりするところも好きです。※居酒屋での会話という舞台設定にふさわしく、かつ、活発なやり取りや長文に疲れてない? 大丈夫? という適切なタイミングで挿入される、ということです。


スクリーンの中のスクリーン ヘプタポッドと人間を隔てているもの 2017/05/23 23:27
http://blog.livedoor.jp/pertinax/archives/52492732.html
 やっぱり映画は原作をとても尊重しているし映画として成立させるための仕掛けが怠りないな、と改めて感じました。
 この記事とは関係ないですけれど映画で年齢が変わったのはつまり原作の叙述トリックが使えないせいでもあるし…。でもやっぱりあれはああしなかった方が良かったななどと思ってもみたり…。


『 メッセージ』は人類を変える 添野知生 2017年5月31日 cakes
https://cakes.mu/posts/16397
 映画での変更点についての話になるほど、なるほどー! となりました。原点へ帰ることができるのはもはや他人の手によってでしかできない。たぶん。
 この記事とは直接関係ないのですが、映画のタイトルにつけられたArrivalの意味は、それらが到着した? ルイーズが到達した? それとも彼女が? 全部なのかしら。これをカタカナでアライバルにしてしまうと個人的には新幹線や飛行機が着く・着いたという連想をしてしまい意味がそれらの到着の一つに引き込まれてしまうので、メッセージというタイトルの方がそれらからのメッセージ・ルイーズの記憶からの・ルイーズが彼女にあてた、と無理なくトリプルミーニングになるので良かったなあと思います。感想や記事を検索しにくいですけど。


【ネタバレ・感想】映画「メッセージ」:ラストシーンの解釈・原作との違いを徹底解説 ナガの映画の果てまで 2017年04月13日
http://www.club-typhoon.com/archives/14594720.html
 ラストシーンではルイーズが別の道を選択することが可能だったのか、ではなく、しぶしぶ受け入れることにしたのか、幸せも不幸せも受け入れられると覚醒したのか、ということが焦点になるかと思うのですが、表情を見れば後者だとわかります。イアンがヘプタ語を取得できればなあと思わずにはいられないのですが…。
 この記事とは関係ないですけど(この枕詞多いな)映画『沈黙』の音響効果も素晴らしかったです。映画館で観ると映像も大きくてきれいですし集中できる環境ですし音響も家庭では再現できないレベルのものがサービスデーだと1100円ぐらいで楽しめてしまうこともあり、映画館というのは実にお得な施設なのです。


『メッセージ』 映画が避けてきたもの 映画のブログ 2017-05-23
http://movieandtv.blog85.fc2.com/blog-entry-597.html
 私もガーディアンズオブギャラクシーで非人間型の宇宙人があまり登場しないのは寂しいと思っていた。たぶんそれはロケットの孤独を浮き彫りにするためのものだろうけど、スターウォーズに出てくるような感じのがいてもいいんじゃないかって。でも撮影のために金粉を五度塗りされたエリザベス・デビッキはとてもキュートでした。それはさておき、映画をあまり観てこなかったので、非人間型に限らず、宇宙人とのファーストコンタクト・コミュニケーションを模索する映画というのはそんなになかった、というのは知りませんでした。『メッセージ』はたくさん映画を観てきた人の方が衝撃は大きかったんでしょうね。そういったことをこうして書いてくださるのはとてもありがたいです。