往きて迷いし物語

もるあきがトールキン教授やPJ監督に翻弄されるブログ・『この世界の片隅に』備忘録

『ジョジョ・ラビット』と『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』がコラボ広告

※直接的なネタバレはなし。

 

 今朝(2020/01/24)の新聞広告に『ジョジョ・ラビット』と『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』のコラボ広告が載っていたらしい。映画の公式アカウントで告知されていた。今の私にもう少し機動力があったならばコンビニに新聞を買いに走った(※東京版の広告なので走っても無駄、ネットで取り寄せするべき)ところだが、あいにく冬季うつの真っ最中である。とは言え、気分転換のために映画を観たり美術館に行ったり動物園に行ってそのあと死ぬほど落ち込んでいるんだけど。

 

 今年(2020年)はじめて映画館で観た映画が『ジョジョ・ラビット』だった。結論から言うと最高に良い映画だったし、実に「片隅的」だったのでコラボ広告の告知がツイッターに同時に流れてきた時は「わかる!わかってる!」と独りごちた。「わかる」はこの2つの作品の魂が同じ色をしているということ。「わかってる」はコラボを実現させた人たちの慧眼と尽力への感嘆。好きなもの同士のコラボは単純に嬉しい。

 

ジョジョ・ラビット』は戦時下のドイツでナチスに傾倒する臆病な10歳の少年ジョジョがイマジナリーフレンドのアドルフ・ヒトラーを心の支えに軍国少年向けのキャンプに参加するが…という話だ。監督は『マイティ・ソー バトルロイヤル』(※ラグナロク)『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』のタイカ・ワイティティニュージーランド出身でマオリの父親とロシア系ユダヤ人の母親の間に産まれた。俳優の経験もあり、『ジョジョ・ラビット』てヒトラーを演じたようにこれ以前の作品でも自身が監督する映画に出演したことがある。

 

 予告ではコメディ風だったけれども、やっぱりこのテーマの映画ではとても笑えないのでは? という懸念を魅力溢れるキャラクターの素晴らしい演技と軽快な音楽、目が奪われるような衣装と美術、巧みな演出でふっ飛ばし、何ということもない場面で涙を誘う。画面の中で起きていることは今の我々の日常とは違ってはいるが、すべていつかのどこかであった、今もこのようなことがあるのかもしれない日常なのだと伝わるのだ。

 

 重い展開とやるせなさに胸を締め付けられながらも鑑賞後に残る奇妙な爽やかさと温かさが『この世界の片隅に』(『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』)と共通している。これは日常生活に長く爪痕を残す作品だ。

 

 はじめて『この世界の片隅に』の原作を読んだあと、私はアイスクリームを食べられなかった子のことを無意識に思い出し、胸がつかえ、数年のあいだ自分自身アイスクリームを食べられなかった。(※今はちゃんと(?)食べられます)

 馬鹿げてると思われるかもしれないけど、私はその胸のつかえをなくすために少しずつ苦手な戦争の本を読み、記事を読み、映画やドキュメンタリー番組も観た。…ほんとうに少しずつ、なるべく元気があるときにしかできないけれど、これから先もそうするだろう。僅かずつしか進めないが、続けていくつもりだ。『ジョジョ・ラビット』もきっと私にとってそういう存在になる。

 

 

追記

ジョジョ・ラビット』を観た人におすすめされてた作品

『スウィング・キッズ』

『善き人』