往きて迷いし物語

もるあきがトールキン教授やPJ監督に翻弄されるブログ・『この世界の片隅に』備忘録

『戦争は女の顔をしていない』コミカライズ版と『この世界の片隅に』

『戦争は女の顔をしていない』試し読みPV(日笠陽子ほか)

https://m.youtube.com/watch?v=vJt1aRQsshI

 

"その本は、長く出版禁止だった。語られなかった〈女たちの戦争〉を今マンガで届ける理由"
――その苛烈な内容から、長く出版が許されなかった問題作『戦争は女の顔をしていない』がまさかのコミカライズ。いま、〈女たちの戦争〉を日本でコミカライズする意義とは。企画に込めた思いと覚悟を聞いた。

2020/01/27 8:00:37 GMT BuzzFeed

https://www.buzzfeed.com/amphtml/harunayamazaki/wars-unwomanly-face

 

 2020年1月27日、ノーベル文学賞受賞作品『戦争は女の顔をしていない』のコミカライズ版が日本で発売された。原作はスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ氏(岩波書店 https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b256544.html

)、作画は小梅けいと先生、監修は速水螺旋人先生、そしてこの企画を立ち上げたのは編集者の荻野謙太郎氏だ。企画のきっかけとなったのは映画『この世界の片隅に』だという。詳しくは記事を読んでいただくとして、コミカライズ版『戦争は女の顔をしていない』は戦争映画の新時代を開いたこのアニメーション長編映画を観た我々(このブログを読みに来てくださっている、あなたがた、そして私)に読んでほしいと願われた作品だ。

 

 タイトルは聞き及んでいたが、耳に入る内容の苛烈さに手に取る勇気が出なかった、この本のコミカライズ版の連載が始まったのは2019年。ツイッターをやっていなかったなら読まなかったかもしれない。このような形で触れることができ、感想あるいは読んだという事実を皆で共有することができて本当によかった。一人で読んだのでは抱えきれないような重い話…それらすべて本当にあった話(※単行本巻末で監修の速水螺旋人氏が書いているように、原著はあくまで聴き取りであるという事実から、この一文は不適当でした。)なのだから。

https://twitter.com/UnwomanlyFofW/status/1173180948164120576

 

 当時100万人以上いたと言われているソ連第二次世界大戦従軍女性へのインタビューなので『この世界の片隅に』のようにほのぼのとした場面は少ない。戦争中のささやかな喜び、奪われたもの、かろうじて守れたもの、壊されたものが描かれている。伝えなくてはならないという一人ひとりの意志を考えないではおれない。よかったら、読んでほしい。

https://bookwalker.jp/series/234139/

 

(2020/02/01追記)

『戦争は女の顔をしていない』コミック版について、個人的補遺 - MINITRUE http://rasenjin.hatenablog.com/entry/2020/02/01/034814

 コミカライズ版『戦争は女の顔をしていない』の「消費のされ方」についてツイッターで議論が交わされており、それを受けて監修の速水螺旋人氏からコメントが出された。仰ってることには同意するのだけれど、この言葉「楽しんでも別にいいだろう」が監修の立場にある人から出たのには引っかかりを覚える。もちろんこのあとに「想像力を働かせて、どうか不安になって頂きたい」「理解してないことを知るための本です」「原著も読んでください」と続くのだけれど、「楽しむ」…。

 この記事の公開自体取りやめるべきか思案中。ただ、長い文章を読めなくなっている今の自分には色々な作品が映像やコミカライズで「知る間口」を広げてくれることがとても助けになっている。私はこの作品とどのように付き合って行くべきなのか。