音声ガイド・UDcastとは
UDcastとは
http://udcast.net/index.html
スマートフォンやタブレットを利用し、通常の放送・上映では伝えられない情報を伝えるためのサービスです。
例えば映画『この世界の片隅に』では目の見えない・見えにくい方に音声で登場人物や風景のガイド説明をするバリアフリー上映を行っています。テレビ放送の副音声のようなものです。
映画『この世界の片隅に』公式サイトの劇場情報のページに説明が載っています。
<『この世界の片隅に』バリアフリー上映のご案内>
日本語字幕付き上映、音声ガイド上映を一部劇場にて実施致します。
※一部対応していない劇場もございます。あらかじめご了承下さいませ
【日本語字幕付き上映】
耳の不自由な方に映画を楽しんでいただけるよう、日本語字幕付きの上映を実施致します。通常通り音声も出ますので、一般の方もご鑑賞頂けます。
【音声ガイド付き上映】
UDCast方式による音声ガイド上映を実施致します。
UDCastとは、「見えない」「見えにくい」方が、いつでもどこでも日本映画が楽しめるよう、携帯機器(スマートフォン・タブレット端末)とイヤホンを使って音声ガイド付きで鑑賞して頂けるシステムです。
■『UDCast』の詳しい説明はこちら(http://udcast.net/index.html)
■動作確認はこちら(http://udcast.net/demo.html)
映画『この世界の片隅に』ではもっぱら音声ガイド用に使われていますが、公式サイトによると音声情報だけではなく字幕や別角度からの映像を本編映像に対応させてスマホ・タブレット端末に表示できるサービスなのです。
複数の言語に対応しており、DVDやBDの特典サービスとして活用されており、コミケ会場であるビッグサイトでも使用されているということなので、映画や舞台鑑賞、ライブが好きな人間は知っておいて損はないサービスではないでしょうか。
美術館や博物館でも使えるようになるみたいですね。英語のヒアリングはできなくても文字情報なら何とかなる人も海外イベントでこういうサービスが利用できたらいいですよね。
字幕眼鏡も今はまだ高いですけど、近い将来に映画館で貸し出しサービスなど利用できたら嬉しいです。
アプリを入れておけばインターネット環境がなくても災害時等に使えるということで、個人的にパニック時には音声より文字情報の方がありがたい、と試しにアプリをダウンロード、動作確認してみました。何度か試して動作確認はできたものの、災害情報のデモはありませんでした。これは本番に取っておきます。本番は来ない方がいいのですが、備えとして。
音声ガイドも話題になっていてどんなものか気になっていたのでデモ動画を見てみました。
スマホにイヤホンを差し込み、UDcastアプリの「動作確認」からデモ動画『絵の中のぼくの村』を選択し、音声ガイドの文字に触るとデータがダウンロードされ、音声ガイドモードの画面に切り替わり、少し待つと音楽と「本編が始まると音声ガイドが始まります」と音声が聞こえてきます。別の端末で『絵の中のぼくの村』を再生すると、動画のガイド音声が聞こえてきました。背景や登場人物の動きなどを説明しています。「教室の後ろの壁に絵が貼ってある」とか「廊下を歩いてくる」みたいな感じです。ガイド音声は台詞にかぶらないように気を配ってあるので、聞き取りやすかったです。
ガイドを聞いてわかったことは、私は固有名詞を聞き取るのが苦手だな…ということです。他の言葉はわかるのですが、名前だけが極端に聞き取りにくいんです。なので、私がこのサービスを利用することになったら主要人物の名前を前もって調べておかないといけないですね。
日本初のバリアフリー映画館、シネマ・チュプキさんでは、座席にイヤホンジャックがついていて、スマホ・タブレット端末を用意しなくても音声ガイドが聞ける仕組みがあります。
水原さん役の小野大輔さんがガイドの声を担当している『ソング・オブ・ザ・シー』はすごく評判がいいので行ける距離ならなら観に行きたいです。障碍のない方にもたくさん来てほしい、という企画です。
CINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ)
http://chupki.jpn.org
シアターの特徴
http://chupki.jpn.org/gallery
小野大輔さんのファンと共に映画館を変えたい
https://coubic.com/chupki/357286
シネマ・チュプキで音声ガイドを使って鑑賞されたvoldenuitさんのツイート
#チュプキ
— voldenuit (@voldenuit_a_u) 2017年8月25日
先日初めて音声ガイドを使って映画を観た。(音声ガイドというものがあること自体、今回初めて知った。)
今回体験した「シネマ・チュプキ・タバタ」では全席にイヤホンジャックが付いていて「台詞を妨げることなく映画の場面を説明してわかりやすい」とのこと。期待が高まる。
(続く)
#チュプキ
— voldenuit (@voldenuit_a_u) 2017年8月25日
(続き)
実際に音声ガイドを聞いていて実感したのは、見ているつもりで実は見えていない(気づかない)ことが結構あるんだな、ということ。
登場人物の表情や様子を言葉で説明してくれるので、(目が見えていても)場面の状況を理解する助けになった。
(続く)
#チュプキ
— voldenuit (@voldenuit_a_u) 2017年8月25日
(続き)
それから、普段の生活で人に説明するときのヒントも。
例えば今回観た「この世界の片隅に」に何度も出てくる「三ツ蔵」。最初に出てくるときは「蔵が三つ並んだ、三ツ蔵」と説明していた。初出時に言葉を補うことで、なじみのない言葉でも入ってきやすくなる。
(続く)
#チュプキ
— voldenuit (@voldenuit_a_u) 2017年8月25日
(続き)
また、「六畳間で」「三畳間で」と場所の情報を加えることで、聞く人が情景を思い描けるようにしていた。
他にも「鬼いちゃん」を「おに、いちゃん」といったり、映画が表現するたくさんの場面をできるだけ忠実に伝えようとする真摯な姿勢を感じた。
◇ 広島国際映画祭2017
『この世界の片隅に』バリアフリー版の上映決定 2017/8/9
http://hiff.jp/archives/3579/
会期は11月24日~26日、『この世界の片隅に』のスケジュールはまだ出ていません。
◇家庭で使ってみてわかったこと、気になったことを書いてみます。
字幕や音声ガイドのデータは映画館でなくてもダウンロードできるみたいです。「映画・映像」の「音声ガイド」の作品一覧でタイトルを押したらダウンロードが始まったので、たぶん…。
スマホ・タブレット端末を一定時間操作しないと電源が自動オフになる設定にしていると映画の途中で切れてしまうかもしれません。電源がオフにならないように設定し直しておくといいです。
使い方のページにスマホを機内モードに設定するよう書いてありました。
これを設定すると電源はついているが通信はできない状態になり、上映中にニュースやメールを受信してうっかり点滅する事故はなくなりますね。
映画が始まったら音量の調整以外で操作をする必要はないので、光漏れしない暗い色か厚めのカバンなどに入れて膝に乗せて置くといいのではないでしょうか。
UDcastにはスマホに字幕を表示するサービスもありますが、『この世界の片隅に』が対応しているのは音声ガイドだけでなので、上映中にスマホの画面が眩しくて周りの人の注目を集めるような使い方にはならないと思います。
日本語字幕付き上映も回数増えるといいですね…( ˘ω˘)
イヤホンは音漏れしにくくてコードの長さにも余裕のあるものがいいですね。
『この世界の片隅に』封切り上映時は音声ガイドは全館対応だった気がしますが、上映館が増えてきたので対応していない映画館もあるみたいです。行かれる方は気をつけてください。
美術館や博物館で展示を鑑賞途中、一時停止・止めたところから再生・スキップはできるのか? 未体験なのでよくわからないです。
アプリのインストールから動作確認までするのは少しハードルが高いかもしれないです(個人差があるかもしれない…)。自分ではできなかったけど映画館の人に設定をしてもらって音声ガイド付きで映画を鑑賞できた、という話を見かけました。
今回自分で試しにアプリをいれてみたことで、将来の自分や家族や友人知人はたまた映画館で居合わせた人を手助けできるかもしれないです。
このアプリ、こう色々すれば舞台のマルチアングルや日替わりアドリブネタにも対応できる、かなりすごいサービスになり得るんですよね…劇場の空気感は味わえないまでも…。
またわかったことなどありましたら追記・訂正します。
(2017年1月19日 追記)
一部の映画館でFMラジオとイヤホンを使用して音声ガイドを提供する取り組みをしているようです。端末機器を持っていない方に対応した素晴らしいサービスですね。